叔母(育ての母)が入院中、私は仕事を終えて戻るなり病院に向かいに行きました。
洗濯ものをまとめ、着替えなど必要なものはないかと片付けていると、叔母は、「もう帰るんか、来たばかりやのに。今日は京子さんがお菓子を持って来てくれたのよ、敦子は毎日来るけど、おやつのひとつも持ってきてくれないね!」
その言葉にカッと来て「私はお見舞いに来てるんじゃないのよ、介護に来てるのよ!
毎日おやつなんかもってこれないわよ!」と怒鳴ってしまった。
心の中では「感謝やねぎらいの言葉を聞きたいもんだわ」と思ったものでした。
夫には子供のいない叔父と叔母がおり、近所に住んでいた生後8か月の私を実の子のように可愛がってくれて、とてもお世話になりました。
その後、成長してから、主人と私は結婚したのです。
叔父が先に亡くなり、残された叔母を私達夫婦は子供たちや回りの反対を押切り、引き取ることにしました。
最初は家族の協力も得て平和的に生活が成り立ちました。
が、しだいに叔母に認知症が始まり日ごとにひどくなっていきました。
認知症。
ただ物忘れがひどくボーッとしているとかの症状だけではありません。
ありもしない頭の中の妄想を現実化して作り話をしたり、自分を虐待するとかお金を盗んだとかを人に話すのです。
おむつの中に手を入れてお尻の始末をしてベッド周りに便を塗りつけたり、夜中のおむつ交換中にベッドや床にお漏らし。
ギャーっと叫びたくなることもしばしばでした。精神的にも私は疲れ切っていました。