まずは手すりです。
義母に手すりの高さを決めるシュミレーションをした際に直立不動で立ったのを見て、これはダメだと思いました。
手すりを必要とする時はかがみながら前のめりの状態のため、姑にその体制を取ってもらうと、それはそれはずいぶん位置が違ってきました。
“たかが手すり”と手すりも標準通りに決めてはいけません。手の平が小さい姑には太すぎたり、高さも高すぎたりとマニュアル通りではいけません。使用する本人の体格や病気、障害の部分を把握してそれに見合った介護用品を撰ぶ。・・・。
リフォーム業者の提案をそのまま任せたり言いなりになっていることに疑問を持つようになりました。・・・これが私のこの仕事を始めるきっかけとなりました。これも子供のころから祖母や妹弟の世話をしてきたおかげで知識と経験が宝になりました。
私が選んで取り付けた手すりを、姑がしっかりと持って立ち上がり、歩いているのを見て思いました。
手すりひとつでこんなにも違うんだ、言われるがままに我慢して使うのはいけないし、少しでも自力で出来るよう周りにいる家族が気付いてあげる事が思いやりなんだとつくづく感じました。
姑の顔には笑顔があふれていました。
その後、私は、数十件介護リフォームの仕事をさせていただきました。